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2009/12/19 (Sat)
「「あの儀式」について」
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今更ながら、「あの儀式」について書いていない事に気付いた。
一度は筆を取った。けれどもその途端にあの時の光景や感情が頭の中で竜巻のように巻き上がって、結局そこに筆を乗せる事が叶わなかった。
何を書けば良いのかわからなかった時に、唯一つ明るく見えていたのは「感謝」だった。私はギルドを通して冒険者達への礼を短く書き、間もなく巡礼に出かけた。
書き尽くせないと考えるのは、今でもそうだ。半年経った今でも。

一緒に戦ったうちの一人、ジークムントは、その後間もなく迷宮で亡くなった。あれだけの戦士が、呆気なく。
幼馴染のレイズは、あの戦いの後も冒険者として腕を磨き、剣闘大会に出たりアイドルになったり(←)した後、とある騎士から譲り受けた美馬に乗ってがぁらから旅立ったらしい。あいにく大会は見られなかったが、私よりも強くなっている事だろう。

時間は廻った。色々な事が変わった。

私は大聖堂を拠点に巡礼に出かけ、時々帰って来るという生活を続けている。

がぁらに帰って来ると、私は山の上から街を見る。
もし小説か何かなら「あの儀式」の力が、ベールのように街を包んでいるのが見えるのだろうが、残念ながら私のようなただの僧には見えない。
だが、そんな視覚効果は無くて良い。がぁらが明るく、私の愛するがぁらである限り、住人達はどんな危機も払いのける。

ちょうどあの時、皆が力を合わせて儀式を用意し、成功を導いたように。




---唯の僧兵の独り言

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